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「見てもらえている」という実感を
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慶応義塾大学3年生
北原 紫帆
株式会社フジホーム
庄田 桂⼆
学生と経営者がお互いに意見交換をしながら、相互理解を深めるHRsessionの対談コンテンツ。
今回は、株式会社フジホームの代表取締役 庄田 桂⼆様に、お話を伺いました。
慶應義塾大学文学部。大学生活では、アジア最大規模のビジネスコンテストを運営する学生団体に所属。デジタルメディア事業のインターンシップに参加したのち、現在は株式会社クイックで活動中。趣味はドライブと旅行。
1994年に株式会社フジホームの親会社である、株式会社ムゲンエステートの営業部に入社。1997年株式会社フジホーム創業と同時に代表取締役に就任。2019年に株式会社ムゲンエステート取締役に就任し、現在は兼任している。
目次
北原
本日はよろしくお願いいたします。はじめにご経歴についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
庄田
親会社の株式会社ムゲンエステートで営業をしていた時に、親会社が所有する不動産商品物件の販売会社として事業会社設立の話が出ました。自信はありませんでしたが、自分の力がどれだけ通用するのか試したく社長になりました。
北原
そうなんですね。最初は販売会社としてのスタートで、現在は、工事部門・賃貸部門と事業拡大をされていますが、事業拡大に伴って生じた問題などはあるのでしょうか。
庄田
そうですね。全体の成長戦略として、親会社が不動産の買取再販に集中し、弊社で工事部門や賃貸管理もやっていこうとなったのです。私も売買の仲介・販売の経験しかなかったので、管理部門となると知識とか経験の内容が大幅に変わってくるんですよ。ですので従業員とのコミュニケーションや、いざ起こっている問題に関しては関与できなかったことがあります。
北原
社長がこれまで取り組んでこられた事業とは異なっていたのですね。知識や経験不足といった問題にどう対処されたのでしょうか?
庄田
専門の方たちと比べたらもちろん浅いですが、経験を積むことによって、知識を身に着け私自身が正しい判断ができるようになったということが大きいですね。それによって、コミュニケーションがしっかりとれるようになりました。
北原
社長がご自身でインプットすることでお力をつけられてコミュニケーションをとりにいかれたのですね。
従業員の貢献度を可視化、公平に評価される環境を
北原
当初、社長として就任されるときに会社経営において大切にしようと思ったことはなんでしょうか。
庄田
物件の販売会社としてのスタートだったので、常に一件でも多く販売したいと考えていました。現在は販売だけではなく、工事や管理も行っているので、よりよいものをお客様に提供したいという気持ちで経営しています。
北原
経営者として目標の方はいらっしゃいますか。
庄田
親会社である、株式会社ムゲンエステートの会長ですね。私が入社した時は4人しかいなかったのですが、私にはできないような采配をふるって、目に見えて人数や業績、利益が伸びていく。そういったところを目のあたりにしてきました。尊敬していますね。
北原
少し、今のお話と関連してくるのですが目指す社長像はございますか。従業員の皆様にどのような社長だと思われたいですか。
庄田
全従業員を公平に評価する社長でいたいと思っています。会社は常に成長していかなければいけないので、そのために、従業員の貢献度をしっかりと把握したいと思っています。
北原
どのように貢献度をはかっているのでしょうか。
庄田
その場の評価としては数値化ですね。数値化で不調だった従業員に関しては、「現時点ではこうだけど、もっとこうしたらよくなるのではないか」というような助言を上長からしてもらうようにしています。
北原
業務に取り組み成果を残したら、きちんと評価される環境が整っているのですね。
庄田
まだまだです。数値化だけでは補いきれない部分は、上長から直接「彼/彼女はこういう人で、こういうところで会社に貢献していますよ」という形で情報を聞いてそれを加味して評価していく体制は少しづつできています。
目的意識を持って仕事に取り組む人の特徴とは
北原
庄田様が従業員の皆様に、仕事をする上で求めるスタンスなどはございますでしょうか。
庄田
やっぱり誰のために、何のために仕事をしているのかを常に意識しながら取り組んでほしいとは思っています。仕事をただの作業で捉えてしまうと、工事においては品質に出てしまったり、賃貸管理においてもお客様への対応の仕方に出てしまったりしますよね。中途半端な仕事をしてもそれは楽しくもなく誰もためにもならないので、やるからには真剣にやろうという話はします。
北原
今、仰って頂いたような、仕事を単なる作業として捉えている人と比較したときに、御社で活躍されている従業員の皆様に特徴などはございますでしょうか。
庄田
やっぱりレスポンスが早い人は常に評価されていますね。常にコミュニケーションを取ろうとする姿勢を持つことです。たとえ先方からの返事待ちという状態であっても返事が来るまでなにかを検討をしていたり、些細なことでも連絡を怠らない人は仕事ができる人なので評価が高いです。
従業員の動きには常にアンテナを
北原
社長が求める人材を増やすにあたって、意識的に取り組んでいることは何でしょうか。
庄田
とにかく出来るだけ話をするようにしていこうと思っています。30年ほど社会人として様々な経験をしてきましたが、その過程で、これまで評価の低い人が高い人に転じるという場面は何度も目にしてきました。そういった人を増やすには、話をして、出来ないことを出来ないと指摘し続けることが大事なのだと感じています
北原
出来ないことを指摘し続けることは、その人がそれに対して問題意識を持つようになるといった狙いのもとでしょうか?
庄田
そうですね。同時に、従業員が何かに対して一生懸命取り組んだという話を聞いたらしっかりと褒めたり、それについて話したりしています。
北原
そうなんですね。社長が思われる、御社で働いている従業員の皆様に共通する特徴などはございますか?
庄田
やっぱり真面目なところですね。誰に聞かれてもそう答えています。言われたことをしっかり守ったり、納得したことに対してしっかり取り組んだりする姿勢が特徴です。
即戦力を発揮するためには、夢中になれる経験を
北原
社長が、新入社員に期待されることは何でしょうか。
庄田
これは入ってきた人全員に対して思うことなのですが、厳しい中でも仕事を楽しんでほしいと思っています。楽しいと思う瞬間は人それぞれあると思うのですが、自分の楽しいと思える瞬間を見つけて欲しいです。
北原
ちなみにご自身が一番楽しいと思う瞬間はどのような時なのでしょうか。
庄田
私はやはり社長として、会社、人の成長を一番に臨んでいるので、自社の業績や人の成長した姿を見た時などですかね。
北原
ありがとうございます。
入社1年目で会社の即戦力になるには、学生時代にどのような経験があるとよいでしょうか。
庄田
何かに夢中になった経験があればいいと思います。私自身、剣道をやっていたのですが、剣道を通して得た我慢強さや礼儀はもう50歳になりますが未だに染みついていると思っています。何かに夢中になれば、何かを学び、それを仕事の場で活かせると思っています。
北原
そうなのですね。今のお話を受けて、私自身、一つのことよりも多くのことに同時に挑戦してしまうので一つの経験の質を意識していこうと思いました。
「中古不動産の活性化」を使命に
北原
今後のビジョンをお伺いしてもよろしいでしょうか。
庄田
グループとしてのミッションである「不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する」というのは踏襲していきます。このミッションを私なりにかみ砕いて解釈すると、「中古不動産の活性化」というところにあると思っています。
北原
もう少し詳しく伺えますか。
庄田
新築の不動産は買った瞬間から目減りしていきます。中古の不動産は、誰かが使った後や時代により市場に受け入れられていない。購入した瞬間から不動産としての資産価値が下がっていくのです。
北原
たしかに。新築不動産がどうしても競合として出てきてしまいますよね。中古不動産のバリューを出すにはどうすれば良いのでしょうか。
庄田
新築不動産に価値を近づけるためには、不動産取引量自体を増やし、価値を高めていければよいのですが、どうするのかというと、リフォームすることがポイントだったりします。
北原
最近よく伺いますね。
庄田
例えば、昔ながらの3Kなどの間取りを、今風の2LDKに間取りを変えたり、バリアフリーを取り入れた物件にリフォームしたりすることで需要が高まっていくと思います。そしてこの需要を高めてもらうには、私たちのように中古を扱っている会社がもっともっと成長しないと市場に広げていくことはできないので、現在グループで300人の会社なのですが、大きくしてきたいと思っています。
従業員の意見を取り入れ、事業拡大を
北原
資産価値を減らさないためにリフォームを通じて中古不動産を活性化するのですね。現在はどんどん事業拡大をしていかないといけない時代になっていると思うのですが、社長ご自身苦労されることなどはあったのでしょうか。
庄田
経営者はなかなか同調してもらえなかったりする部分があるので、孤独だなと思うことはよくありますね。
北原
進めていかなければならないような場面で、リスクや変化を嫌う従業員の皆様に対してどのようなアプローチをとっていましたか?
庄田
前までは、社長になってから色々なことを押し通して来ましたけど、私ができることだとか能力的に限界なところは実感しているので、部長や課長などの意見はしっかりと取り入れようと思っています。だから、現在は自分の意思を押し通そうとはまったく思っていないですね。
北原
御社は、従業員の皆様の考えを尊重しながら会社全体のおける成長をはかっているのですね。御社の事業拡大の裏側にある育成環境や社長ご自身の経営理念をお聞きすることが出来、非常に学びになりました。
今回は貴重なお話ありがとうございました。
庄田
こちらこそありがとうございました。
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