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ワクワクの伝播で若者に元気を

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ワクワクの伝播で若者に元気を

近畿大学3年生

長谷川 勝美

株式会社キッカワ

吉川青良

interview

学生と経営者がお互いに意見交換をしながら、相互理解を深めるHRsessionの対談コンテンツ。

今回は、株式会社キッカワの代表取締役 吉川 青良様に、お話を伺いました。

近畿大学3年生
長谷川 勝美

近畿大学法学部。何か人に話せるような経験をしたいと思いこのインターンに参加。近畿大学のモルックサークルに所属しており、会長に任命されている。趣味は、体を動かすこととサッカー観戦。

株式会社キッカワ
吉川青良

1962年生まれ。岡山県出身。明治大学卒業後アメリカに渡り現地で印刷会社を起業後、会社を継ぎ2005年に代表取締役に就任。現在に至る。

目次

 


長谷川 
御社の事業の成り立ちや吉川社長が社長に就任されるまでの経緯をお伺いしてよろしいでしょうか。


吉川
株式会社キッカワは父が設立した会社で、最初はクレーン1台から水島のコンビナートで仕事がスタートしております。クレーンのリース業や原油タンクの清掃が業務内容でした。


長谷川
お父様の事業がもとになっているのですね。


吉川
直径100mくらいあるタンクを掃除するような業務です。非常に過酷な環境でおこなう業務で父が働いて得たお金で、大学まで進学させてもらうことができました。もともと、その大変さも見てたので父の仕事を継ぐ。という気持ちはありませんでした、そこで大学卒業と同時に、「仕事を継ぐつもりはない」と話してアメリカに行きました。 


はじめの一歩はアメリカから

長谷川
アメリカではどんなことをなさったのでしょうか?


吉川
1年間はアメリカの大学に行かせてもらって、その後は自分の力で滞在を続けました。皿洗いやウエイターをして、やっとロサンゼルスで生活できるようになります。そして3、4年経った時に印刷会社の営業に誘われて転職しました。1年くらい働いた後、独立してアメリカで印刷とデザインの事業を始めました。

 

長谷川
最初はアメリカで起業されたのですね、驚きました。


吉川
当時はバブル景気と呼ばれる頃で、観光客も多かったんです。日本人観光向けにお土産を購入するためのシートの印刷や名刺制作などを手掛けていました。おかげさまで売上も利益も順調でした。それから3、4年すると景気の影響で、あそこの企業が倒産したといった話がちらほら聞こえるようになります。父のことも気になり一度帰国してみたんです。そうすると倒産寸前で。でも両親は帰ってこなくていいって言うんです。それでも、私が好きなことができるように育ててくれたことを考えると、見過ごすことはできないと思い、帰国し家業を継ぐことを決意しました。


長谷川
そんなことがあったのですね。 


アイデアの源泉は「好きだ」という思い込み

 吉川
アメリカの事業は後輩に譲り、本格的に家業を継ぐ準備をします。
父の仕事を継いでからは非常に苦労しました。倒産寸前といってもよい状態でしたから、
最初の重要課題は人員体制の見直しからでした。
複数の従業員に対し雇用できないことを告げなければなりませんでしたから、
断腸の想いでした。
私自身も給与ゼロからのスタートです。食べる分だけもらう生活でした。


長谷川
たくさんの困難があるなか、どのように乗り越えたのですか。


吉川
退路を断ったからには嘘でも好きだと思おうと頑張りました。不思議なことに、好きだと思っているとアイデアが浮かびます。タンクの中は炎天下では50度を超えるので、従業員の負担が減るようにシフトや運搬ルートを見直しながら取り組みました。そういう工夫を次第にお客様が、面白いねとおっしゃるようになりました。これはチャンスだと思って、違う仕事もいただけるよう働きかけました。メンテナンスの仕事などへ広がっていくことで事業拡大していきました。


長谷川
好きだと思う気持ちが大切なんですね。


吉川
はい。そうやって仕事を続けて、おかげさまで、現在、株式会社キッカワでは、従業員は70名を超え、グループでは売上も60億近く、従業員も180名を超える規模になっております。


長谷川
かなりの成長ですよね。アメリカで身に着けたノウハウが経営に活きておられるのでしょうか。


吉川
アメリカで一番身についたのは、判断のスピードです。また、イエス・ノーをはっきり言うってことも活きています。


長谷川
アメリカでは最先端をいかないといけないから、判断が早くないといけないんですか。


吉川
必ずしも最先端である必要はないんですけれども、決断は早いです。あと、自分で考える力も身につきましたね。アメリカで生活して良かったのは、なにか意見を言うと「面白いね」って返ってくることです。日本にいたころは私が何か言うと「何考えているんだ」と潰されていたタイプだったので。


困難な時こそ、早く高く遠くに飛ぶ準備を

長谷川
コロナ禍による影響はありましたか。


吉川
私は小さいころから景気の良し悪しによる組織の状態を全部見て育ちました。それを踏まえて思うことは、こういうピンチと思われる時こそチャンスだということです。だから苦しいときでも積極的に動いていました。コロナ禍が終息に向かっていくとき、いかに早く高く遠くに成長できるかが大事だと考えます。実際、熱意は直接対面でのほうが伝わりますが、オンラインでもできることはたくさんあります。長谷川さんも今、実際私が目の前にいたら熱い!って感じると思います。


長谷川
オンラインの今でも熱さめちゃめちゃ感じてます。


「人ありき」がつくる好循環

長谷川
吉川社長はたくさんのことに挑戦なさっている印象です。挫折をされたことはありますか。


吉川
挫折ばかりです。しかし、挫折を通してしか成長できないんですよね。いいときの学びより挫折や苦しいときの学びのほうが多いと実感してます。なかでも、ちょっと苦しい時が一番いい学びの機会です。


長谷川
確かにそうですね。社長として、これが一番の挫折だったなという経験はありますか。


吉川
つい最近のことでお話しますね。いかに理念・ビジョンの浸透をしていくか。若い従業員に弊社の魅力をどう理解していただくか。これが最近のテーマですね。私は「人ありき」を理念にずっと経営してまいりました。さまざまな挫折を味わう中で、人がなにより大切だと思っています。一方で、従業員が増えていくにつれて、ひとり一人と満足に話せなくなってしまいました。
理念・ビジョンが充分伝わらずに、目の前の現場がつらく辞めてしまう。このような状況を改善するために、全従業員を集めて次の5か年計画と弊社の理念・ビジョンを説明する機会をもうけました。 


長谷川
実際に効果はありましたか。


吉川
はい。次の日から変化を感じました。小さい会議が増えて今後のことを考え始める社員があらわれました。グループの従業員とも話して、各社長に5年後のビジョンと、実行施策を共有してもらいました。すると若い従業員たちも、グループとしての取り組みの理解が深まり、「面白い」と感じていただけたようです。特に、地域に価値を提供する。といった社会的意義も感じてくれたようです。


長谷川
挑戦し続ける雰囲気をすごく感じています。


吉川
無謀な挑戦もいっぱいするんですけど。新しいことに挑戦するってすごくワクワクできることです。

長谷川
私も挑戦の気持ちでこのインターンに参加して、今こうやって吉川社長とお話しさせていただいているんですけれども、挑戦の大切さを身に染みて感じています。御社は地元岡山への貢献もなさっていると思うんですがいかがでしょうか。


吉川
はい。社会経験を積むにつれて、やっぱり地元に貢献したいという想いが強くなりました。常に身近な人から喜んでもらうのが大事。それを意識してはたらいていくと、いい人間関係も生まれて、協力者が現れたり、仕事の質もあがり貢献度合いも高まります。そこでまた感謝されて、さらに地域貢献したくなるという循環ができています。

長谷川
「人ありき」という言葉がここでも体現されているなと思いました。


ワクワクの追及がビジネスになる

長谷川
今の吉川社長を形成しているのはどんなことなんでしょうか。


吉川
絶えず挑戦し続けることです。


長谷川
モチベーションの源泉はどこにあるんですか。


吉川
ワクワク感です。若いときは、お金とかモノにワクワクしていたんですけど、今はみんなの笑顔を見ることにワクワクしますね。従業員が暗い顔をしていることは私にとってはとても辛いんです。逆に笑い声が聞こえてくるとめちゃくちゃハッピーです。だからやはり人が喜んでくれることが私にとっては一番ワクワクするし、エネルギーになっております。でなければ15社も同時に経営はむずかしいでしょうね。


長谷川
この業界をみたとき、吉川社長からするとどのような点がワクワクしますか。


吉川
やっぱり日本の経済成長を支えたのは原油の精製なんです。ほかの国は油田をもってコンビナートを作っているんですけど、日本だけは原油を買ってそれを精製した。だからそれを基にする産業が国内で事業展開できるようになったんです。だから従業員にも「プライドを持とう」と言っています。もしうちがメンテナンスをやめてしまったら、大きな影響が出ます。そんな大きい産業を下支えする重要な役割を担ってるという誇りですね。


長谷川
吉川社長から直接伝えられる言葉ってより身近に感じてすごくやる気が湧いてくると思います。従業員の皆様も熱意に感化されてパフォーマンスがあがるんですね。


吉川
そうですね。やらされた仕事と前のめりにやる仕事では成果が変わります。前のめりになると組織は非常にいい方向に変わります。


仕事を辞めても続く関係を作ろう

長谷川
採用ページでは、「いかなる状況においても物事をポジティブに考えられる人、チームワークを大切にできる人」を求める人物像として表現されています。私は、一般的に主体性が求められていると思っておりますが、チームワークをお求めになる理由をうかがえますか。


吉川
もちろん主体性も大事です。チームワークを求める理由は、仕事は一人では成果をだせないからです。周りの仲間がいるから成果を生み出せるんですね。契約をたくさん獲得できる。ということより、みんなが仲良くやったほうが幸せだと思いませんか。お客様とも仲良くなって、仮にこの仕事を辞めたとしてもお客様とはお付き合いが続くような、そういう関係を築いてもらいたい。とはよく伝えています。


長谷川
そういうスタンスで働くと、すごい良い人間関係が築けそうだと感じました。


スキルよりスケールを大きく

長谷川
今の若者に求めることはありますか。


吉川
コロナ渦で日本が暗くなり、どんどんスケールが小さくなっていると感じます。私が一番大事だと思うのはスケールです。スキルアップよりもスケールアップしてほしいと若い従業員には伝えています。


長谷川
スケールを磨くためにはどんなことをしたらよいのでしょうか。


吉川
行動して肌で感じるのが一番です。ちょっと無理をしてでも、いろいろな方に出会ってほしいです。広い視野で物事を見れた方が選択肢も広がりますし、何が正しいかも見極めやすくなると思っています。決断力や、意思をもって行動する重要性を感じる機会も増えます。発見できることも増えますよ。当社もいろいろと変わったことをしております。このようなスタンスの象徴ともいえますね。 


若い方々が楽しんでくれることが喜び

長谷川
例えばどんなことをしていらっしゃるんですか。


吉川
実は新しく、株式会社SEアミューズメントというものもやっているんです。そこでは、例えば万博記念公園にある万博BEASTという巨大タワー型アスレチックを運営しています。世界最大規模なんです。


長谷川
すごいです。なぜやってみようと思ったのですか。


吉川
ドイツに行ったときに、たまたま巨大なタワー型のアスレチック施設が立っているのを見つけました。遊んでいる人も楽しそうで、ぜひ日本に持ち帰りたいと考えました。今の日本では公園から遊具がなくなっており寂しいですし。


長谷川
確かに最近は、お子様方がのびのび遊べる環境が減ってきていますね。


吉川
アスレチックタワーとして国内で売り出したところ、関東にある遊園地が導入してくれました。最初の1年で約10万人利用したと聞き、これはいけるぞと確信を持てたので、自社運営施設として万博記念公園に万博BEASTを建てました。


長谷川
10万人は驚きです。


吉川
そのほかにも、福岡にある海の中道海浜公園にもアスレチックタワーを建てました。海を見渡せる場所にあり、シー・ドラグーンという名前で自社運営しています。沖縄ではマリンスポーツ事業も行っております。さらに来年から、日本にはない面白いものを続々と誘致する計画をしております。


長谷川
YouTubeで見たことがあります。やりたいなあって思っていました。


吉川
ぜひ体感ください。スクールも運営しております。面白いでしょ、若い方々はこういう施設で遊びたいと思うんです。


長谷川
はい!今企画されている新しいものは、岡山でも実現される予定ですか。


吉川
できたらいいんですけどね…、残念ながらまずは都会から展開していく方が良いと考えます。ゆくゆくは岡山でもやりたいですね。
最新では、また別の企業でエビの養殖も手掛けております。


長谷川
養殖ですか?本当に幅広いんですね。


吉川
これは3年かかってしまいました。若手従業員が長い間、提案し続けてくれていて、かなり悩みはしましたが、3年という期限をきめてチャレンジしてみよう!ということで決断しました。最初の2年は苦戦続きで成果も伴いませんでした。ようやく3年目で形になってきました。そこでブランドを作って岡山の百貨店に卸すところから始めております。


長谷川
3年で形になるって中々のことじゃないですよね。


吉川
そうですね。私も事業ではたくさん失敗してきました。うまくいかなければ一回仕切り直して期間と人数、かける予算を判断基準にして再挑戦か、撤退か決断していくようにしています。


誰かのための挑戦は大歓迎

長谷川
失敗は多くても、吉川社長は挑戦をどんどん後押しされているんですね。


吉川
そうですね。グループとして今後は、若い従業員が提案する事業の中で、社会貢献ができたり、
みんなが喜んでくださることに挑戦するということを、積極的におこなっていきたいですね。


長谷川
私は株式会社キッカワのHPしか見たことがなかったのですが、グループとしてものすごく多岐にわたる事業を展開していらっしゃることがよくわかりました。


吉川
喜んでくださるものには積極的に挑戦しています。若い方々により楽しんでいただき日本を元気にしていってほしい。やり方がわからない人も多いと思うんです。ですから私がゼロからイチにするきっかけになれれば良いと考えております。


長谷川
大きなスケールをもって掲げた目標を達成するためは、実力をつけるのも大事ですよね。
これからのK’sグループの発展がすごく楽しみです。


吉川
若手従業員たちが自分たちで戦略を立てて取り組んでいる企業です。今後は従業員全員が積極的にゼロからイチを作りあげてくれることを期待します。基幹業務を着実におこなうことはもちろん、関連する他の業務も発展させていきたいです。


長谷川
私もここまでのお話をうかがいさらに大きなことに挑戦していきたいなと思いました。


吉川
20代は若さの塊です。私も20代はアメリカで働いていましたけど、まだまだ経験が少なかった。経験が積めてきたと自覚できたのは、帰国し給与ゼロで従業員と向き合った経験をしてからです。


長谷川
今のうちからスケールを意識して頑張っていきます。今日は貴重な時間をいただきありがとうございました。ワクワクする時間を過ごせました。


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