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「地域に健康を届ける」

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「地域に健康を届ける」

東京女子大学3年生

阿部 榛香

株式会社エフケイ

遠藤 俊一

interview

学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。

今回は、株式会社エフケイ 代表取締役社長 遠藤 俊一様に、お話を伺いました。

東京女子大学3年生
阿部 榛香

東京女子大学コミュニケーション専攻。2025年卒業見込み。IT業界を中心に就職活動中。 趣味は旅行と美味しいものを食べることで、月1で旅行をしていた。最近飼い始めたうさぎに夢中になっている。

株式会社エフケイ
遠藤 俊一

1957年4月生まれ。1989年株式会社エフケイ入社。1998年社長就任。 2002年プライベートブランド企画生産会社 株式会社すみや設立。同社長就任。 2007年カーブス事業立ち上げ。2010年同運営会社 FKC社長就任。2021年会長就任し、 現在に至る。

目次

 阿部
はじめに、遠藤様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか?


遠藤
大学卒業後、大手電気メーカーに9年間勤めました。その後、家業である地元の薬局に入社し
ドラッグストアをはじめ調剤薬局だったり、最近ではEC事業も始めたりして今日に至るという感じです。


阿部
最初は電気メーカー様なんですね。健康産業とは異業種に就職なさっていたんですね。


遠藤
そうですね、大学卒業後は家業はやるつもりはなかったので。


阿部
そうだったんですね。その中で、家業に戻ろうと思ったきっかけは何かございますか?


遠藤
会社に務めて10年間たった頃にドラッグストアが出始めてきて、
今までは町の小さな薬局という位置づけでしか自分の家の家業を捉えていなかったんですけど、
そういったドラッグストアが伸びてくるのを見て私も仕事を大きくしたいと思って始めました。


阿部
健康産業はこれから伸びてくる業界だと思って、家業に戻られたということですね。


遠藤
そういうことになりますね。


カウンセリングの先に、根本治療 

阿部
エフケイ様は相談型ドラッグストアというビジネスモデルを取られていると思うのですが、
このビジネスモデルにたどり着いた経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか?


遠藤
ドラッグストアはどこでも同じなんですけど、セルフで商品を手に取って自由に買い物ができる点、
色んなものを安く提供する点で伸びまして当社も最初はそうでした。しかし、そういったドラッグストアが増えると地域のお客様が自分の健康を相談できる場が失われてしまうので、我々がそういったことをしっかりやっていこうと考えました。


阿部
今のお話を聞いていて、地域の方にただ薬を買ってもらうという対症療法より、カウンセリングを通した根本治療に目を向けていると感じました。


遠藤
おっしゃるとおりで、根本治療を知ってるのは素晴らしいですね。


阿部
ありがとうございます。


遠藤
まさにそうで、ドラッグストアは風邪薬や花粉症の薬など売ってますけども、ほぼ対症療法の薬。年中風邪を引く人もいますけど、色々な根本的な原因を抱えていたりする場合があるので、一緒に考えてアドバイスすることが必要です。もとから健康に美しくなることを目指した相談型というか情報発信型でやっていこうと考えています。


阿部
たしかにこれから先、高齢化社会ということで対症療法ではなくカウンセリングを通した根本治療がすごく必要になってくると思います。


社内コミュニケーションも健康に 

阿部
従業員の皆様とのコミュニケーションで気を付けていることはありますか。


遠藤
こちらが一方的に喋らないで、相手の話を聞くということを心がけていますね。実際にどんなことやっているのか、成果が出たことなど、相手が答えられるような問いを投げかけてコミュニケーションを取るようにしています。


阿部
社長だから話しづらいということではなく、従業員の皆様のお話を聞くためにあえてこちらから問いかけて話しやすくするということですね。


遠藤
そうですね。こちらから聞かせて貰うことが必要かなと思いまして。


阿部
たしかに重要ですよね。またそのほかに売上や利益以外で大切にされている指標はありますか?


遠藤
アルバイトやパートの方含め自主的な取り組みであったり、世間的に新しいことやってるか、前向きな挑戦や取り組みを非常に大事しています。会社内で、過去の良い取り組みを発表できる場を作り、私もそれに対してコメントをすることを大切にしています。


阿部
従業員の方が達成したことを発表できる場を設けていらっしゃるんですね。


遠藤
そうですね。一生懸命実施して達成した大きなことのほかにも、日頃の工夫や自分のことを出せる場をネット上で作ってそれを全社員が見られるようにしています。


阿部
HPから社員同士のコミュニケーションが活発な職場だと感じていたのですが、実際お話を聞いて本当にそうなんだと思いました。


健康を通して地域への恩返し

阿部
「元気で心豊かな地域社会の創造」という企業理念はいつ頃思いつかれたんですか?


遠藤
はっきりとは覚えていないんですけど、私が社長になったのが2,000年頃でそれを機に作ったということだったと思います。


阿部
この企業理念の背景は何でしょうか?


遠藤
我々はこの地域で商売をして地域の人たちに支えて貰っているので、自分のいる地域を健康に明るくすることをしていかなければと思って。健康や美容をメインとして社会を構築していくということで作りました。


阿部
地域の方に支えられていたからこそ、その恩返しとして地域の方に健康を届けるという思いでこの企業理念を作られたということでお間違いないでしょうか?


遠藤
はい、そうです。


阿部
そのために取り組まれていることはございますか?


遠藤
本業である仕事をきちんとやっていくことがまず第一だと思っています。今年から取り組んでいることは、地域の福祉事業所で生産されている商品を店頭で販売するということですね。従来だと、店頭相談会、健康フェア、子供の調剤体験もやっていました。


阿部
本業とそれ以外にもいろんなところで地域の取り組みをなされていて、特に子供の調剤体験がいいなと思いました。私も子供だったらぜひ参加させていただきたいです。また、そこでお客様に向き合う姿勢として従業員の方に大切にしてほしいことはありますか?


遠藤
お客様は自分の家族や大切な友人だと思って相談に乗ってあげてくださいということですね。家族とか友人に対しては、ベストな方法を提案すると思うので、その気持ちを忘れずに一人ひとりのお客様に提案をしてもらえれば素晴らしいと思います。


阿部
たしかにそうですよね、他人ではなくて家族や友達に置き換えて親身に話を聞くということは非常に重要だと思います。


QOLを向上、ローカル企業として生き残る

阿部
御社はファミリーマートとの一体型店舗の開設など新しいことに挑戦されていらっしゃる印象があります。今後どのような事業展開をお考えですか?


遠藤
1つは、今ドラッグストア・調剤・訪問看護ステーション・EC事業とありますけど、これらを融合させていくということを考えています。そのためにはお医者さんや周りの人との連携も必要なんですけど、もっと深く地域に浸透していくようなビジネスモデルにしていきたいです。特に在宅患者への訪問調剤は、今後高齢者の増加により需要が高まってきますので、積極的に伸ばしていきたい分野です。一方それにも関わらず一般の調剤薬局はこの方面に力を入れているところはまだ少ないのが現状です。


阿部
そうなんですね。


遠藤
もう1つはプライベートブランドを柱にしようと思っています。今手元に持ってきているんですけど、これはワセリンを基材にしたクリームですね。アトピーの人や赤ちゃんにも使えるロングセラー商品です。


阿部
えーすごい!


遠藤
大手ドラッグストアにはない、当社のプライベートブランドを増やし収益を高めて競争力をつけてローカルドラッグストアとして生き残れるビジネスモデルを作る。また、やりたがる人が少ない訪問型の調剤薬局というビジネスモデルを強化していければと思っています。


阿部
在宅診療や調剤・訪問診療、自社のプライベートブランドを作ることという2つの軸で推し進めていくということでお間違いないでしょうか。


遠藤
そうですね。


阿部
大手との差別化というところでカウンセリングを中心とした根本治療を推し進めていらっしゃると思うんですけど、根本治療という点では、ドラッグストアだけでなく調剤や訪問看護を合わせた方が上手くいくんですか?


遠藤
お客様の状況が全然違いますね。在宅に入ってしまうと極端にいうと言い方悪いんですけど、死ぬまで面倒見るってことなんですよ。

阿部
あーそうなんですね…。


遠藤
そこだと根本治療というより家族のもとで安らかに過ごしてもらうことが大事になるんですよ。ただ、根本治療にしても在宅にしても、QOLというところでは一致しているので、我々はQOLを向上させていくということになります。


阿部
そうなんですね、3つの役割はそれぞれ違いますがQOLを上げるという点で繋がっているのではないかと思いました。また、これから事業展開を行っていく中でここは変えたくない、逆に変えていきたい点があればお伺いしたいです。


遠藤
変えていかなければならない点は、ITを取り入れることで、SNSを使っての発信もやっていこうと思います。変えてはいけない点としては、1つはお客様に対する対応ですかね。あともう1つは個人を尊重するということを大事にしていきたいです。


阿部
ありがとうございます。


とにかくやってみる

阿部
どのような学生に来てほしいとお考えですか?


遠藤
やはり素直な方がいいと思います。あとは、新しいことに挑戦する意欲を持った方や人を幸せにすることが好きだという方がいらっしゃればぜひ来ていただければと。


阿部
確かに素直であったり好奇心があることは大事ですよね、そのような力をつけるために学生時代にどのような経験をすべきか学生に向けてアドバイスをお願いします。


遠藤
なんでも好奇心で見たり聞いたりやってみたり調べたりということが大事だと思うので、色んな新聞を読むことから初めて、社会全体の流れや変化の仕方に興味を持って自分なりにみることをやって貰えればと思います。


阿部
この記事を見た学生はこういう経験をすればいいんだとすごく自信がつくと思います。ありがとうございました。


遠藤
ありがとうございました。


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