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販売しているのは布団ではなく健康なんです

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販売しているのは布団ではなく健康なんです

駒澤大学4年生

清水 彩香

Futonto株式会社

齊藤 淨一

interview

学生と経営者がお互いに意見交換をしながら、相互理解を深めるHRsessionの対談コンテンツ。

今回は、Futonto株式会社の代表取締役社長 齊藤 淨一様に、お話を伺いました。

駒澤大学4年生
清水 彩香

駒澤大学文学部英米文学科。2023年4月より株式会社クイックで就業予定。就活では人材業界を中心に活動。趣味は映画・ドラマ鑑賞とドライブ。夢は自分で稼いだお金でマイカーを買うこと。

Futonto株式会社
齊藤 淨一

1973年 神奈川県生まれ。中高バレーボール部/趣味:キャンプ/旅行/子供とマラソン 大手寝具メーカー販売員を経て2011年株式会社大和屋ふとんを創業。 同年オーダーメイド枕の専門店「まくらぼ」1号店を開店。 2018年にはベストベンチャー100に選出。 『人財ビジネス』『理念経営』を主軸とし、 「まくらぼ」は2023年3月時点、全国のショッピングモールで32店舗展開。 創業から11年で年商23億を達成。 今後のIPOやグローバル展開を視野に入れ、2019年Futonto株式会社へ社名を変更する。 「日本を朝から元気にする」そして、Futonと共に 「世界を朝から元気にし、世界の体温を上げる」ことを使命とし、 スリープマイスターとして自ら睡眠学の講演や人財育成に注力している。 また、睡眠の可視化、いびきの測定ができる無料の携帯アプリケーション「睡眠ランキン グ」を開発し、オーダーメイド枕や寝具だけに留まらず睡眠の質向上を目的とした活動の 幅を広げている。

目次

 

 清水
本日はよろしくお願いいたします。初めに齊藤社長のご経歴を教えていただきたいです。


齊藤
中学、高校とバレーボール部でした。高校3年生の時に相模原市の選抜に選んでいただきました。6年間みんなでやりきったことが私の人生の中で凄く大きかったかなって今振り返ると思います。神奈川県の県立高校を卒業し、就職して陸上自衛隊に入りました。


清水
そうだったんですね。


齊藤
同期が3000人ぐらいいたんですけど、入隊してから半年後の体力検定で3000人中1位を取ることができました。


清水
え!凄いですね。


齊藤
自分の人生の中で一等賞を取ったことは生まれて初めてのことでした。やっぱり努力すると結果が出るんだなというのと、その反面あまり努力しなくても上位にいられるところってこういうところなのかなっていう感覚が自分の中で見つかりました。


清水
なるほど。


齊藤
自衛隊を出て20歳から25歳までプロパンガスの配達の仕事をしました。その間に高校の同級生と結婚をしました。仕事を頑張る支えになっていますし感謝してもしきれないです。サラリーマンをやってみて、目指す働き方とは違うのかな?と思い、25歳から大手寝具ブランドの販売員になりました。布団・寝具業界に出会えた時にすごくピーンときたというか、これだ!って思ったんです


清水
これだ!と感じたその瞬間や具体的なエピソードはございますか?


齊藤
販売してお客様がが健康になる瞬間に立ち会っている時ですね。あなたから寝具を買ったから身体が良くなった、不眠症だったけど眠剤を飲まずに眠れるようになったなど、お客様からありがとうって言ってもらえたんです。たまらない嬉しさがありました。


清水
そういったエピソードがあって布団業界にビビッときたということだったんですね。


齊藤
営業販売部で、踏ん張ってずっと頑張っていたら主任、係長、課長、支店長、支社長になることができました。最終的に独立させていただいて、今でも前職の会長にはすごくお世話になっております。


寝具で世界を朝から元気に

清水
世界を朝から元気にするという経営理念にはどんな思いが込められているのでしょうか。


齊藤
前職企業の先代の言葉で「健康の輪を広げろ」という命令があったんです。いい眠りをお客様に提供し、睡眠の質が上がればみんなが健康になり健康の輪が広がっていくんだ、我々は布団を売っているのではなく睡眠を売っているんだと。また、起業時、国の医療費が43兆円ぐらいだったんです。

 

清水
43兆円...。


齊藤
人間本来持っている自然治癒力があるのに薬に頼り医療費をどんどん高くしてしまっているんです。ちょっとのことで風邪をひかない、精神疾患にならないためにいい睡眠をとることがすごく大事なことなんだということを広めたいなと。また、「世界の体温を上げる」という言葉もトップの理念にあってAIではなく人を通じた接客・サービスでお客様の心の体温を上げる、いい睡眠を通して基礎体温を上げるという2つの意味がかけ合わさっています。地球上80億の人全員に睡眠が必要なのでそういう思いで理念を作りました。


年間15兆円の睡眠負債と向き合っていく

清水
睡眠を通して世界中の人々を元気にし、生活を支えていらっしゃるんですね。
世界を朝から元気にするという使命を果たすために現状からさらにステップアップされるうえで、どんな点を課題とされていて課題に対してどのような取り組みを行っておられますか?


齊藤
睡眠の裏返しにある言葉で睡眠負債って言葉があります。


清水
睡眠負債ですか...?


齊藤
睡眠が取れていないせいでうつ病が起こったり、運転手事故があったり、離職者が増えたりを算出したもので日本国内で年間約15兆円と言われています。2月には一般社団法人で睡眠改善アカデミーという睡眠資格ビジネスを立ち上げました。睡眠の正しい仕方を普及する資格を持った人たちを各地に増やしていく産業です。


清水
睡眠負債が15兆円もあるのは知らなかったのでびっくりしました。
今後の目標としては世界の睡眠負債と向き合い、世界のみんなの体温を上げて睡眠の質を上昇させていくポジションを担うという認識で間違いないでしょうか。


齊藤
私は今日本人として日本でお仕事をさせていただいていますので恩としては日本に一番返さなくてはいけないなと思っていますし、布団屋さんで上場している会社がゼロなので最初になりたいなと目標を掲げています。日本すら元気にできない集団が世界を元気にするのは程遠いじゃないですか。


清水
はい、その通りだと思います。


齊藤
目の前を元気にしていくということでリアルの店舗は非常に大事だと思っていますし、人間の必要さにこだわっている経営者でありたいという目標をもっています。弊社はAI進歩によりコールセンターで働くところが無くなった方を雇用しているんです。仕事は生きがいになりますし必要とされる場所をつくるのはビジネスのひとつの課題なんじゃないかなと思っています。


まくらぼフィロソフィー

清水
理念や価値観を社長御自身が体現するために意識されていることや、社員の方に対して何か取り組んでいらっしゃることはございますでしょうか


齊藤
毎日お仕事前に経営理念と行動指針の唱和は当たり前のこととしてやるんですが、社員さんと一緒に社員研修を毎月やる習慣があります。技術的な数字を追うことの研修、人間力・コミュニケーション力を高めるための研修やフィロソフィー研修を行っています。弊社の社員さんたちは経営理念一言一句正確に言える確率が高いんじゃないかなと思います。


清水
フィロソフィー研修というのはどういったものですか?

 

 齊藤
日本の経営者の中で一番優れていると言われた稲盛和夫さんが京セラフィロソフィー、JALフィロソフィーなどを作られていてそれを真似させていただいたまくらぼフィロソフィーというものがあるんです。それを何千時間と社員さんと共有し話し合ってきました。創業時は週一回行っていて、今は社員研修、店長会などで月1、2回行っています。


新入社員で考え実現できる会社

清水
HPを拝見しまして、昼寝タイムを設けていると記載があって御社ならではの取り組みでとても面白いなと思いました。


齊藤
昼寝はですね実は上場企業がかなり取り入れています。昼寝をとることによって午後のパフォーマンスが上がり、生産効率を上げることができます。


清水
そうなんですね。22卒の新入社員の方たちでパジャマ内定式という取り組みをされていてそれもすごく面白いなと思いました。


齊藤
ありがとうございます。
そういうリリースをみんなで体感していくのは自信にもなるし、思い出にもなってスリープベンチャーならではのいい取り組みかなと思っています。今年はね入社式ではなく、社員旅行のプロデュースを22卒、23卒で行っています。


清水
新入社員側からするとそのように自分たちで色々考えて取り組めるのはすごく魅力的にうつると思います。


コミュニケーションとは「反応」である

清水
新卒採用で御社の選考を受け、入社してくる学生に対して求めるものがあれば教えていただきたいです。


齊藤
一個だけ、コミュニケーション力につきるかなと思います。大学の成績が低かろうが高かろうが全く関係ないです社会人になると。自分ができなかった時に人の力を上手に借りて出てきた壁を乗り越えようとすることができたり、挨拶、お礼とお詫び、全部含めてコミュニケーション力だと私は思っています。弊社はコミュニケーション力の天才の人たちの集まりなのでそこだけは負けません。


清水
選考の中でコミュニケーション力をどのように判断されているのか気になります。


齊藤
コミュニケーションって「反応」なんです。オンラインの画面越しでも、聞いてくれているなというのは頷いたりの反応でわかります。


清水
「反応」ですか。


齊藤
あとは、素直さ。おへそを向けている人かそうじゃないか。web上でも直接会ったとしても、おへそを向けられない人は素直じゃないなって思っちゃいます。


直感を信じ、やりきろう

清水
学生に対して何かメッセージ、伝えたいことがあればお願いしたいです。


齊藤
どんな仕事であったとしてもぜひ1回はやりきってほしいと思っています。職種が変っても同じ壁が出てくるのでやりきるところまでやらないと逃げるだけかなって思うんですよね。


清水
なるほど。


齊藤
やりきるには何が必要なのかというと、直感的にこの仕事、この職種が向いているって思える自分の勘を信じることなのかなと思うんです。自分を客観視して何に向いているかという勘を磨くには、色々な目上の人の話を聞くことが凄く大事かなと思います。直感を信じて頑張ってほしいです。 


清水
「反応」っていうところのコミュニケーションを私もこれから意識し、直感を信じていきたいと思います。本日は沢山の貴重なお話ありがとうございました。


齊藤
こちらこそありがとうございました。


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