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就活に成功する人は、目標の立て方が違う。

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就活に成功する人は、目標の立て方が違う。

同志社大学4年生

山下 実桜

株式会社エヌリンクス

栗林 憲介

interview

学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。

今回は、株式会社エヌリンクスの代表取締役社長 栗林憲介様に、お話を伺いました。

同志社大学4年生
山下 実桜

同志社大学商学部。2022年4月より株式会社クイックで就業予定。就活ではコンサルティング業界、人材業界を中心に活動。大学では、IT系ベンチャー企業でのインターンシップに参加経験あり。趣味はゴルフ。休日は早起きし散歩をして過ごすのがルーティーン。

株式会社エヌリンクス
栗林 憲介

1983年生まれ。不動産投資ファンドや営業アウトソーシング企業での勤務を経験後、2010年、26歳の時に六本木のマンションの一室でエヌリンクスを起業。2018年に東証JASDAQに上場。翌2019年に東証二部へ上場。BPO事業を中心にスマホゲームの攻略サイトであるアルテマのほか、チャットでお部屋探しをするイエプラなど自社メディアも複数運営。 座右の銘は「面白きこともなき世を面白く 住みなすものは心なりけり」。

目次


山下:
本日はこのようなお時間をいただきありがとうございます。山下と申します。よろしくお願いいたします

栗林:
よろしくお願いいたします。

山下:
御社は様々なメディアで情報発信をされていて、学生さんに向けてもたくさんメッセージを届けられていると思います。今後はどんな学生を採用したいとお考えなのでしょうか。

栗林:
より優秀な方に来ていただきたいと思っています。いまは特に、幹部候補になるような方を求めています。戦術だけでなく戦略レベルから考えられる人材は、これからもっと必要になるはずです。

 

一流企業に入っても、自己実現できない人はいる。

山下:
近ごろは安定志向が強くて、いわゆる優秀層と言われる、有名な大学の学生ほど大手企業に行ってしまうような傾向もあります。それについてどうお考えですか。

栗林:
たとえば京大・東大のようなトップ中のトップの大学を卒業した人だったら、大手に行くのは全然良い選択なのではないかなと思います。

山下:
逆に言えば、そうでない人は必ずしも大手に行くのが良いわけではないということですか。

栗林:
一流の企業に入るのは、確かに素晴らしいことだと思います。でも、それ以上に大事なのは、入社後に活躍できるかどうかなんです。一流企業に入社したら、超高学歴のライバルだらけの世界になるので、その中で頭角を現して職位を上げて、自分のやりたい仕事を任せてもらうのはものすごく難易度が高いです。

山下:
確かに、入社後を考えるとそうかもしれません。だとすると、大手以外にどんな選択肢があるんでしょうか。

栗林:
たとえば上場している、あるいは上場を控えたベンチャー企業に入社するとかですね。大手企業に入りさえすれば勝ち組になれる世界がもう終わっていることは、学生のみなさんも理解しているはずです。入社後の活躍を意識したほうが就活は上手くいくと思います。

 

大手企業を選ばないほうが、近道になることもある。

山下:
御社は比較的若い企業でありながら上場もされています。社内でロールモデルになるような方はいらっしゃるんでしょうか。

栗林:
慶應大卒で入社して、5年で取締役になった人はいます。非常に優秀ですけど、それでも大手企業に入社していたら、流石にこのスピードでの出世は無理だったと思います。彼は大手じゃなくて当社を選んだことで、短期間で社会人として凝縮した経験値を積めたわけですね。20代で上場企業の役員という市場価値も得られました。

山下:
その方は、どんな志望動機で御社に入社されたんですか。どのように考えれば、入社後の活躍まで見据えて企業選択ができるのか気になります。

栗林:
彼は目標が明確でした。成果を挙げて早く社長になりたいという目標を持っていました。
最終面接の逆質問でも、社長になれるのか質問を受けたくらいです。

山下:
そのとき、なんと答えられたんですか。

栗林:
なれるよ、と普通に答えました(笑)

山下:
社長ご本人に対して、自分が社長になれるのか直接聞くのってすごいことですよね。

栗林:
確かに、私は創業者なので「この子面白いな」と興味を持ちましたけど、大手企業で雇われ経営者のような方だったら、全然反応が変わってくるでしょうね。万人受けする受け答えではないかもしれません。

 

就活は、いい企業に入ることを目標にした時点で
失敗。

山下:
栗林様も就活のときには、これまでお話いただいたように戦略的に考えて活動されていたんですか。

栗林:
先程もお伝えしましたが、いい企業に入ることを目標にせず、自分の活躍できる可能性がある企業へ入ることを目標にして、就活をしていました。参考にできるかどうかわからないですけど、私の場合は、そんなに学歴も高くなくて文系だったので、その中で勝てるとしたら営業職で結果を出すことだろうと考えて進路を決めました。だから理系の人はエンジニアになるとかでもいいし、人によって結論はまったく違ってくると思います。

山下:
ここなら活躍できるかもしれないと判断するときの時間軸って、どのくらいの期間まで想像されるんですか。

栗林:
それはその人の将来なりたい姿次第です。そこから逆算して、5年後にはここまで、2年後にはこの辺りまでたどり着いていないと…、と考えていけば、いま何をすべきかが見えてくるのではないでしょうか。
私の場合は、自分の強みである営業力を土台に起業して、収益をもとにIT分野に事業を拡げる、
という明確なビジネスプランがあったので、そこに向けて何をすべきかを考えて就活をしていました。

 

希望の部署に配属されても、
活躍できなければ楽しくない。

山下:
ここまでのお話から、御社の中では意識の高い方が激しい競争をされているような印象を受けるのですが、実際、どんな働き方をされているのでしょうか。

栗林:
それで言うと、全然そうではなくて平和な感じの雰囲気ですね。営業が強みの企業ではありますが、
成績の上がらなかった人を詰めることはしないので。

山下:
怒られないと頑張らない人もいそうに思いますが、それで仕事は回っていくんでしょうか。

栗林:
正直、怒ることに意味はないと思っています。それで怒られた人ができるようになるかと言えば、
そうではないですから。だから入社してすぐに、成果の挙げ方を徹底的に教えます。
とにかく成果を出させてあげる。これが一番の教育です。

山下:
なるほど。

栗林:
就活でよく「やりたい仕事」「好きな仕事」という表現が出てくると思います。でも、どんなに希望の部署に配属されたとしても、仕事は成果が出せない時点で面白くないし辛くなります。でも逆に、成果さえ出せれば、最初は興味がそんなになかった仕事でも楽しく感じられることはあります。

山下:
ここでも結局、「いい企業に入るのを目標にするよりも、入社後に活躍できる企業に入ったほうがいい」という考えにつながるんですね。

 

働きがいと働きやすさを両立させるための評価制度。

山下:
ただ、そうは言っても、詰めて社員を追い込まなければ、頑張る人とそこまで頑張らない人の差は大きく
広がりますよね。

栗林:
そうですね。高い目標を掲げて猛烈に働く人と、プライベートともバランスをとりながらほどよく働く人とで二極化はしています。

山下:
両極端の人が同時に社内にいると、マネジメントが難しくないでしょうか。たとえば、猛烈に働きたい上司の下に、ほどほどに働きたい人が部下として配属されることもあると思います。その逆もありますよね。

栗林:
それで不公平感が出ないように、当社は人事考課を徹底的に無機質に作っています。
出した成果でデジタルに昇給・昇格が判断されていく仕組みになっています。

山下:
それで5年で取締役になったりすることもあるわけですね。

栗林:
そうですね。職位に見合った圧倒的な成果は求められますが、達成すれば誰でもどんどん昇格していける
仕組みになっています。上司に好かれていなくても成果を出せば昇格できるし、上司を追い越すこともできます。

 

就活と営業は似ている。
どちらも目標設定とプロセス管理が命。

栗林:
あと詰める風土がなくても成果が挙がるもう一つの理由としては、プロセスを大事にしていることだと思っています。

山下:
プロセスですか。

栗林:
社内では「営業を科学する」という表現をしているのですが、営業のプロセスを細かく分解して、
フェーズごとに要点を整理して、成果の出なかった人がどこで躓いたのかを見える化できるように
しています。

山下:
これもさっきの目標設定が大事という就活の話と似ていますね。

栗林:
そうですね。目標に向けて必要な要件を整理して、一つ一つクリアしていくことが大切です。
営業で成果を出すためのこの考え方は、ビジネス全般に通じるものだと思っています。

当社では、ビジネスパーソンとして必須の考え方をまず身につけてもらいたいという想いから、新卒入社した方をまず営業部門に配属して、もし希望の部門があれば一定の成果をあげた後に異動できる仕組みになっています。

山下:
営業に強い企業に対して持っていた、徹底的に詰められるイメージが、今日お話を伺って崩れたかもしれないです。

栗林:
ありがとうございます。とは言え、当社のような風土の方が珍しいかもしれないので、世間一般に当てはまるかどうかは分からないですよ。

 

体育会系とゆるめの社風、どちらがいいか。

山下:
詰めても成果は挙がらないとのことですが、栗林様的には、体育会系のガンガン詰められるような社風に
対して、どうお考えですか?

栗林:
私自身は体育会系の営業組織で育ってきたので、それにはそれの良さもあると思うし否定もしないです。ただ、個人的には詰める時間はもったいないと感じてしまうので、その時間があればどうやったら成果があがるか考えたり、やれることをフィードバックしてあげたりしたほうが良いかなと思っています。

山下:
体育会系の風土にも良いところはあるんですね。

栗林:
厳しい分、体育会系の組織のほうが全体的な底上げはしやすいかもしれません。一方で、当社のやり方は、みんなが伸び伸び働きやすい環境を作れるのがメリットです。ただ、何も打ち手を講じないと、
ゆるいサークルのような社風に寄っていくので、管理面では難しさもあります。

山下:
それで最初にお話しいただいた、戦略レベルから任せられるような人を採用していきたいという
課題につながっていくんですね。入社時点から意識高く働く方を増やしていこうという。

栗林:
そうですね。詰めてプレッシャーをかけるのではなくて、組織全体のレベルを引き上げることで、
自然と成果にコミットする人材が増えて業績が上がっていくのが理想です。

 

学生が「活躍できる場所」を見抜くために。

山下:
どこに入社するかより活躍できるかどうかが大事、というお話が印象的で、でも、実際に学生が参考にしようとすると、自分が活躍できる企業をどう判断したらいいのだろうと思いまして。たとえばアルバイトをしたときに、この仕事は向いていると感じることがあったら、それが判断として正しいのか、その辺りお伺いしたいです。

栗林:
感覚や感情的なことよりは、論理的に考えることが大事だと思っています。たとえば野球が好きだからプロ野球選手になりたいとします。でも、冷静に考えたらプロ野球選手になれる確率はとてつもなく低いですよね。だったら同じぐらい稼げて競技人口の少ないクリケットでプロを目指したほうが良いはずです。
そういう選択ができるかどうかだと思います。

山下:
私はこれまで好き嫌いで考えることが多かったです。就活でも、頭で考えたらこちらを選んだ方が得だ
けれど、でもフィーリングではこっちだ、みたいな選択をしてきたので。

栗林:
でも、それも目標設定次第ですよ。私の場合は、こういう企業を作りたいという明確な目標があり、
そのためにまずは営業職として成功する必要があっただけなので。ワークライフバランス重視の人にとっての最適な進路がどういうものかは、その人次第だと思います。

山下:
ちなみに、就活時にまだ自分の目標が明確に描けない人も多いと思いますが、そういう人はどうしたらいいと思われますか。

栗林:
その場合はとにかく目の前でご縁があったことを一生懸命やって結果を出してみたら良いと思います。
何でもいいので一つ成功すると自信がつくし、次のチャンスも降ってきます。そうしたらまたそれを
頑張って成果を出せば、次の機会が巡ってきます。繰り返すうちに自分のやりたいことが見えてくるのではないでしょうか。

 

その企業で働いて、得られるスキルは何かを
明確にする。

山下:
最後に、就活生の方にアドバイスをいただいても良いですか。

栗林:
いま市場価値を高めたいと考えている人が増えていると思います。市場価値は、いくつかのスキルの掛け合わせによって相乗効果で生まれるものなので、自分がいま選考を受けている企業で得られるスキルは何かを分析して、得られるスキルと自分の目指したい目標とを比べた時に、それが適しているのかどうかを考えると、自ずと進むべき道は決まってくると思います。

山下:
社会人になってからもキャリア選択の場面は多いので、今日教えていただいた考え方を参考にして、
自分の目標に近づけるように努力したいと思います。

本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。

栗林:
こちらこそありがとうございました。

 

 

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