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リフォーム業界は、建設業よりもサービス業に近い。顧客満足を追求できる仕事。

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リフォーム業界は、建設業よりもサービス業に近い。顧客満足を追求できる仕事。

東京女子大学4年生

木俣 莉子

ニッカホーム中部株式会社

成田 友輝

interview

学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。

今回は、ニッカホーム中部株式会社の代表取締役社長 成田友輝様に、お話を伺いました。

東京女子大学4年生
木俣 莉子

東京女子大学現代教養学部。2022年4月より株式会社クイックで就業予定。就活ではベンチャー企業を中心に幅広く活動。大学でも他大学の広告研究会に入ったり、タイで開墾を手伝ったりと幅広く活動していた。趣味は美味しいものを食べること。最近は美味しいお茶集めとボルダリングにもはまりかけている。

ニッカホーム中部株式会社
成田 友輝

2012年、ニッカホーム株式会社に入社。2015年、リノベーション事業部の新規立ち上げに参加し、2017年にグループ会社のマニカホーム株式会社・代表取締役に就任。その後、2020年にニッカホーム中部株式会社・代表取締役も兼任となる。

目次

木俣:
ニッカホーム様は、リフォームの相談・見積り、施工からアフターフォローまで、すべて自社で一貫して実施されています。

成田:
創業から間もない頃は、建物にある浄化槽の交換を専門に行う会社でした。そこから関連する水回りのトイレ、お風呂、キッチンのご依頼もいただくようになって、現在の総合的なリフォーム会社の形へと成長してきました。

木俣:
御社の強みであるワンストップ体制は、創業当初からのものですか。

成田:
昔は、リフォームは分業で対応するのが業界の常識でした。ですが、創業者の会長はリフォーム業界の人間ではなかったので、慣習を知らないがゆえに全部一人で対応していたんです。

木俣:
それが結果的に御社の強みになったんですね。

成田:
そうですね。いまでは業界的にもワンストップが主流になりました。

木俣:
業界全体が一貫体制に移行されていったのは、一貫して手掛けることにメリットがあるからですか。

成田:
リフォームは細かい作業依頼も多いので、分業するとかえって手間やコストがかかります。結果的に、収益面でも理にかなっていたのだと思います。あと当社で言えば、会長の「自分でできないことを人に指示しない」「自分がやってみて初めて身につくのだ」という考え方も影響しています。


完全には、マニュアル化できない世界。

木俣:
提案から施工管理まで一貫して関わるのは、やりがいがあって面白そうです。ただ、職人さんとも深く関わらなければいけないと思うので、技術的な勉強が大変そうだと感じます。

成田:
実際、大変ではあります。ただ、勉強しているという感覚はないですね。リフォームってマニュアル化し辛い仕事なんです。新築でゼロから建てるのと違って、すでに建物があって、それぞれの事情でリフォームするから、条件が毎回違います。場数を踏んで経験を蓄えるしか上達する道がありません。

木俣:
引き出しを増やしていく感覚ですか。

成田:
同じハウスメーカーでも、建てられた時代によって仕様は全然違います。お客様と話しながら、その家にあった答えを見つけていく感じですね。数を経験すると、まったく同じではないけれど、応用できる引き出しが増えていきます。

木俣:
だいたいどのくらいの経験を積めば、自分一人でできるようになりますか。

成田:
どこで線を引くかですけど、だいたい3年が目安です。比較的、パターンが決まっているトイレやお風呂の交換は1年くらいでもできるようになります。しかし、イレギュラーな現場にも対応できる経験となると、やはり3年は経験しないと難しいです。もちろん、10年やっても、まだ見たことがない現場に出会うこともあるので、勉強に終わりがない世界でもあります。

木俣:
現場でしか学べないことが多いんですね。

成田:
自分が責任者になって現場に立たないと身につかない仕事です。だから、新人にはできるだけ一人で現場に行かせるようにしています。


フォローが手厚すぎると、新人の成長は止まる。

木俣:
新人研修のようなものはないんですか。

成田:
研修はあります。基礎的な技術の座学やお客様と接する上で失礼のないようにマナー研修はしっかりしています。ただ、肝心の施工に関わる部分は実践しなければなかなか上達しないですね。

木俣:
最初の頃は失敗もあるんですか。

成田:
分からないことはいつでも聞けるし、もちろん先輩もフォローするので失敗することはないです。技術的なことも、職人さんを頼れば大丈夫です。だからこそ、信頼して現場に送り出すようにしています。

木俣:
手厚いフォローがあるから任せられるんですね。

成田:
そうですね。ただ、過保護にフォローしすぎると成長が止まるので難しいところです。「いい加減、一人で行って来いよ~」と、あえて軽めのノリで、プレッシャーにならない感じで発破をかけるのは意識しています。みんな最初は緊張しながらやっていますけど、場数を踏むことで自信がつきますから。


集客力の強さが、新人の育成機会にもつながっている。

木俣:
新人の教育のやり方は、リフォーム業界全体が同じようなやり方なんですか。まずはやってみるという。

成田:
当社はご依頼いただく案件数が多いので、新人に任せやすい難易度の案件が豊富にあります。でも、案件の少ない企業さんだと、なかなかちょうどいい案件がなくて、先輩同行ばかりになっているケースもあると思います。

木俣:
御社は新人さんにとって、恵まれた環境なんですね。

成田:
リフォーム業界は集客力=育成力になっている部分もあるかもしれないです。

木俣:
しかも御社は100%反響営業だとも伺っています。なぜそんなに集客力があるんですか。

成田:
一つは認知度です。リフォーム専業の中では一位になっている会社なので、地域では知名度が高いです。定期的に新聞折り込みの広告を出していて、安心かつリーズナブルにお願いできるイメージが浸透しているのだと思います。

木俣:
チラシ広告の集客が多いんですね。

成田:
チラシ以外にもWEB広告もやりますし、定期的に売り出しのイベントも開催しています。あとはリピートですね。全体の3~4割はリピートのお客様になっています。


リピート率は、顧客満足の指標。

木俣:
リフォームの営業には、テレアポや飛び込みのイメージがありました。御社の場合、集客は会社がやってくれるんですね。

成田:
はい。各店の店長がいまお伝えしたような手法で集客戦略を立てて実行しています。個人ができるのは、お客様満足を高めてリピートを増やすことです。そこが非常に大事です。

木俣:
リフォームって1回お願いして終わりじゃないんですね。

成田:
意外とそうなんですよ。お家が古くなってくると、一カ所直して終わりとはならないようで、複数回ご依頼いただくことが多いです。私たちの商売って商圏が5kmくらいなので、昼休憩でお店に入ってご飯を食べていたら、ばったりお客様と出会うことも多くて。そこで「そういえば今度、お願いしようと思ってたことがあって…」と、リピートのお声がけをいただくこともあります。

木俣:
お客様との距離が近いですね。私が思っていたリフォームの仕事とは、イメージが随分違います。

成田:
おっしゃる通りなんですよ。私たちの業界って、建設業とひとくくりにされてしまいがちですけど、感覚的には、飲食店とかウエディングプランナーのようなサービス業が近いと思っています。

木俣:
最初から最後まで、お客様に関わるところが似ていますね。

成田:
転職で入社する方は、前職がサービス業で業界未経験の方も意外と多いです。飲食店で、自分が美味しいと思ったこだわりの一品を出したり、ウエディングプランナーでお客様の要望を超えたプランを提案したり。お客様に喜んでいただくために、創意工夫した経験が活きているのだと思います。


お客様と一緒に作り上げる楽しさを共有できる。

木俣:
ちなみに入社されるのは、営業と施工どちらの興味が強い方が多いですか。

成田:
営業のイメージを持たれている方が多いです。ただ、私は施工のほうに興味があってこの世界に入りました。営業という入り口だったら入社していなかったと思います。

木俣:
御社のリフォームの仕事と建設業界の仕事との違いをもう少し教えていただいてもいいですか。

成田:
たとえばハウスメーカーだったら、企画や設計、施工、営業は完全に分業です。オーダーメイドの住宅だったら、営業職の方も、多少は企画にからむと思いますが、実態はファイナンシャルプランナーのような感じで、ローンを組んだりするためのお金にまつわるサポートが多い仕事です。

木俣:
売るところまでしか関われないんですね。

成田:
そうなんです。最後まで伴走することができないので、お客様と作り上げていく感覚を持つのは難しいと思います。うちは施工管理にも関わりますから、工事中もお客様と接点があります。だからお店で会ったときに声をかけていただけるような、深い関係にもなりやすいです。逆にそれが苦手な人には向いていない仕事です。


質にこだわるため、工期を遅らせる交渉をする人もいる。

木俣:
御社に向いていないのは、たとえばどんな方なんですか。

成田:
めんどくさがりの方は向いていないですね。リフォーム工事って、手間なことが多いんですよ。必要な部品や材料を細かいものをきちっと発注して揃えたり、工事の途中で足りない部品が出たら買いに走ったりとか。そこを職人さんに任せきりにしてしまう人は、上手くいかないです。

木俣:
関わる人でそんなに差が出るんですね。

成田:
変わりますよ。責任もってやろうと思うと、招集する職人さんの布陣にまでこだわりますから。その工事が緊急のものでないときなどは、「いい職人さんを手配したいので、ちょっとだけ工事の時期を待ってもらえませんか」と交渉するスタッフもいるくらいです。施工の質が高くなるので、結果的に満足度も上がります。


無口な人も、リフォーム営業として活躍できる。

木俣:
いまのお話だと真面目で実直なタイプの方が向いていそうに思います。営業として話の上手さみたいなものもやっぱり必要でしょうか。

成田:
話の上手さはそんなに重要じゃないです。人とまったく話せないと困りますけど、成績がトップクラスの人のなかには無口なタイプの人も多いです。お客様は困りごとがあってお問い合わせしてくださるので、お客様にご心配おかけしないように小まめに連絡できるとか、お客様から聞いたことを現場に漏れなく反映するとか、そういった誠実な対応がなにより評価につながるのだと思います。

木俣:
それがリピートにもつながっていくんですね。

成田:
お客様の立場になると、毎回、違った会社に頼むのは、めんどうだしストレスだと思います。だから、一回お願いして上手くいったところがあれば、次も同じ会社に、同じ人に頼みたいと思うのは自然なことです。次も〇〇さんにお願いしますと、アンケートに書いてくださっていたり、実際に、営業担当に直接依頼の電話が入ったりしています。

木俣:
会社もそうですけど、人に対してお客様がつくんですね。

成田:
おっしゃる通りです。入口は会社の看板、認知度などの集客力なんですけど、施工を通じてスタッフのファンになっていただくのが理想の形だと思っています。


お客様のために頑張った人が、報われる仕組み。

木俣:
御社の求人メッセージのなかで、求める人物として「人を蹴落とすような競争が苦手」と書かれていて、ここまでのお話とつながった気がしています。

成田:
昔からそうなんですよね。営業成績だけを追求するような人は少なくて。お客様のために一生懸命働くから、リピートが増えて、売上があがって。結果、インセンティブをもらって年収も増えるという。そんな好循環が成り立っているように思います。

木俣:
今後の採用も、お客様の信頼を得られる真面目な方を中心に採用していかれますか。顧客志向で現場が好きな人が多くなると、マネジメントする方が足りなくなりそうです。

成田:
採用基準は変わらないですね。これからますます出店は増やしていきたいと考えています。でも、それに向けて採用をどうするというよりは、入社後に仕事を通じて、興味・関心を広げてもらえたら良いと思っています。


「真面目にコツコツ」が、何より大事な採用基準。

木俣:
入社後の成長のイメージについて教えていただけますか。

成田:
現場でリフォームの経験を積むと、収益面など数字の感覚も自然と磨かれてきます。仕事を覚えて誠実に対応していたら自然とリピートが増えて成績もあがってきますから、そうしたら部下も持ちますし、順調にいけば店舗のNo.2になって、次に店長と。そんなふうに階段を上っていくことになります。

木俣:
一般的には、上にあがっていくのは、高い目標を掲げてガツガツ頑張るタイプの人というイメージがありますが、御社は違うんですね。

成田:
目標はあるに越したことはないですけど、ガツガツはしてなくても大丈夫ですよ。確かに最近は、そういうタイプの人は少なくなっているような気もしますね。骨が細いなっていう感じはします。

木俣:
成田さんはどういうタイプだったんですか。

成田:
でも改めて問われると、自分も若い頃は先のことまで考えられていなかったですね。そういう意味では、いまの若い人の方がしっかりした人が増えているかもしれません。

木俣:
御社では、将来の目標をしっかり持っているとか、入社後にこんなふうに活躍したいというイメージが固まっているとかは、面接であまり気にされないんですね。

成田:
まぁ面接の受け答えは、就活用に準備している部分もあると思うので(笑) それよりも、ここまでお伝えしたように、真面目にコツコツ頑張れそうな人かどうかが大事です。とにかく人柄を重視していますね。


若者が「休み<収入」に、気持ちが変わるタイミング。

成田:
学生さんには、どんな職種が人気なんですか。

木俣:
安定していて、休みが多くて…という仕事ですね(笑)

成田:
なるほど。やっぱり休みは重要なんですね。当社は年間休日が100日程度で、そこが採用のハードルになっている面は少なからずあると感じています。

木俣:
そのぶんインセンティブなどがあって、お給料は高そうです。

成田:
順調にいけば入社3年で、年収500万円くらいまでいけたりします。うちの社員も、結婚して子供ができたり、マイホームを買ったりするときに、収入の多さを初めてメリットに感じたという人は多いです。

木俣:
周りを見ていると、家庭を持ちたい人は少なくなってきていると感じます。お金がかかる目標があると、早くから稼げる仕事にも魅力を感じやすいですが、最近は、一人でちょっとだけ余裕のある暮らしができたらいいなぁ、くらいの人が多いですね。

成田:
そうですよね。自分の世代がすでに、何歳で結婚して子供何人で…という価値観ではなかったので、いまはもっとそうなんでしょうね。うちは休みが少なめでそのぶんしっかり稼げるというジャンルの会社になるので、新卒ではなかなか選んでもらえない難しさがあります。

木俣:
収入以外の面でも、もっと仕事の魅力を学生に知ってもらいたいですね。単純に、色んな現場を見られるだけでも面白そうですし。

成田:
色んなお客様がいらっしゃるので、毎回、新しい出会いがあって楽しいですよ。一流メーカーの偉い開発者の方だったり、企業の役員の方だったり、大の野球ファンで家中にグッズを飾っているような方もいたり。

木俣:
これからエントリーして、一緒に働く方に期待したいことはありますか。

成田:
大変なこともある仕事ですけど、部活のようなノリもあって明るい雰囲気ですし、後輩の面倒をしっかり見る文化があるから安心して働けると思います。若手の集まる会議や食事会もあるので、一人で孤独に頑張るんじゃなくて、みんなで乗り切っていける会社です。だからカッコつけずに、自然体で入ってきてくれたら嬉しいですね。

木俣:
事前にナビサイトなどはしっかり拝見していましたが、やっぱり直接お話を伺うと全然イメージが違いますね。ぜひインタビュー記事を通じて、学生さんにニッカホームのことを知ってもらいたいと思いました。本日はお時間いただきありがとうございました。

成田:
こちらこそありがとうございました。

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