キーワードで探す

  • 公開日:
  • 更新日:

期待を超える、その先に得られたもの

  • ローカル企業
  • メーカー
  • ベンチャー
期待を超える、その先に得られたもの

同志社大学4年生

佐藤 亮

東都成型株式会社

池澤 正彰

interview

学生と経営者がお互いに意見交換をしながら、相互理解を深めるHRsessionの対談コンテンツ。

今回は、東都成型株式会社の代表取締役社長 池沢 正彰様に、お話を伺いました。

同志社大学4年生
佐藤 亮

同志社大学商学部。2023年4月より株式会社クイックで就業予定。就活では人材業界を中心に活動。大学3年生の際にもこのインターンシップに参加していた。趣味は筋トレ。最近はマリーゴールドの弾き語りに苦戦中。

東都成型株式会社
池澤 正彰

1985年大学卒業後、グループ企業である北海製罐㈱に入社。生産性カイゼン・製造技術・品質管理・開発部門を担当。2011年インドネシアの海外子会社代表取締役社長、北海製罐㈱プラスチック本部本部長を歴任。2019年ホッカングループのプラスチック部門を担う東都成型㈱代表取締役社長に就任、現在に至る。東都成型は新たな製品の開発とともに資源循環社会の実現に向け「アイデアを実現する提案企業」を目指し、挑戦を続けています。

目次

 


インクに興味があり製缶業界へ


佐藤
御社のような業界に興味を持つことはなかなか難しいと思います。池澤様はなぜこの業界を、そして関連会社である北海製罐株式会社を選んだのですか。


池澤
私は理系で、化粧品や塗料やインク、印刷などの分野で研究開発をしたいと思っていました。化粧品関連の企業とはご縁がなく、他の企業を探している時に北海製罐に出会いました。缶詰の企業ですが、結構塗装剤を使うんですよ。面接した日に合格を頂き、期待されていると思い入社を決意しました。


佐藤
あ、そうなんですね。容器にご興味がおありだったのかと思っていました。


池澤
インクを作る方じゃなくて、使う方の立場でこの世界に入ったという感じですね。


佐藤
池澤様はやりたいことができるという期待を抱いて入社されたと思うのですが、やりたい仕事が出来ましたか。


池澤
はい。当時缶詰への印刷技術はそんなに発展的ではありませんでした。アルミ缶に印刷するのはすごく難しいんですよ。


佐藤
どうして難しいのでしょうか。


池澤
曲面に印刷することがとても難しいんです。その曲面印刷を1分間に1200本する技術は当時難しいものだったのですが、その実現にまず携わりました。


失敗しても挫折はしない

佐藤
難しいお仕事だったかと思いますが、挫折などはありませんでしたか。


池澤
大変なことは多かったです。技術的にうまくいかなくて品質不良になったり、人間関係もありますしね。ただ、挫折したことはありませんでした。

 

佐藤
大変でも心は折れないわけですか。


池澤
はい。根がサッカーでできていているので。10歳からサッカーを始めて、30歳までやったんですよ。スポーツって負ける度に挫折してたらしょうがないじゃないですか。


佐藤
何か失敗をした時も心が折れるわけではなくて、悔しいけど、そこからどう学んで次に活かすかを考えるということですか。


池澤
そうです。これは経営にも大切な要素です。企業運営には3つの要素があると考えています。1つ目が分析と改善。2つ目が今の話で学習と挑戦。3つ目がコミュニケーションです。上手くいかなかったとき、そこから何を学ぶのか、学んだことをどう次に生かすのか。それが学習と挑戦です。


佐藤
学習と挑戦が悪いことを良くすると捉えるのであれば分析と改善も似ていると感じるのですが違いは何でしょうか。


池澤
分析と改善は必ずしも悪いことを良くするだけではありません。 今、製品を作り、お客さんに購入いただき、収入も利益もあると。悪くない。だけど、もっと良くするにはどうするのか。分析し課題を見つけないと改善できないわけですよ。例えばもっとスピードを上げて作ればコストが下がるのではないか。それをどう実現するか。これが分析と改善です。


佐藤
現状に満足しないということですね。それはなぜ重要だと思われますか。


池澤
現状のままだったら負けちゃいますよね。隣の企業と競争してるわけです。隣の企業はもっと良いもの作っているかもしれないですよね。そうするといつか負ける。だから、やられる前に力をつけておこうという考えです。


佐藤
良いものをより良くするという考えはありませんでした。自分も現状に満足しないようにと反省しました。


池澤
悪いところを直すのは皆さんやるんですよ。例えば品質不良になれば皆で直すんだけど、予防にならないですよね。だから分析と改善は重要です。


コミュニケーションは上層部から

佐藤 
3つ目の要素であるコミュニケーションはどういったことに活かされていますか。


池澤
これはサッカーで言うと役割の違う人でコミュニケーションを取ることですね。選手間だけではなくて、監督やコーチにもそれぞれ役割がある。それらがバラバラじゃダメなんです。上手な選手が11人集まってるだけでは、ゲームには勝てない。だから、1人1人がどういうふうにプレイするのが1番良いのか話し合うことが大切です。


佐藤
チームの成果を最大化するためのコミュニケーションということですね。


池澤
はい。これは仕事でも同じことが言えます。朝出社して決められた仕事をやり、誰とも何にも話さないで帰るなら企業で働くことは面白くもないし成長もしないんですよ。だから議論ができて自分の意見が言えるような職場にならないとダメなんですよ。


佐藤
組織で働いていく上で、共通の目的がある。その目的を認識するためにコミュニケーションは大切。そしてチームで働くうえで役割があり、自分の得意不得意をお互いに伝えることやチームで改善していくことにもコミュニケーションが大切になってくるということですね。良質なコミュニケーションのためには何をすれば良いのでしょうか。


池澤
幹部の考え方が揃っていることが大切だと思います。そのために経営のツールを作りました。例えば定例会議の報告の仕方、課題と改善方法、どのようなPDCAサイクルを回しているのかなどを共有しています。客観的な指標として評点もつけています。去年から何点上がったか点数をつけてもらって、まとめるという感じですね。


佐藤
コミュニケーションのルールや評価の基準などを作ることで、まず上層部からコミュニケーションを活性化させると。


池澤
そうですね、上が考え方を揃えて、下に落としていく。逆に上がってきたものを吸い上げるという感じです。


新入社員がはじめにすべきこと

池澤
あ、でもね、1番初めにルーキーの人が覚えなきゃいけないのってルールなんですよ。


佐藤
ルールですか。


池澤
そうです。ルールを知らないとサッカーできないでしょ。企業も一緒でルールを覚えることが初めは肝心です。こういう報告書を作らなきゃいけないとか。ルールを覚えてもらわないと、チームに入れないんですよ。なのでルーキーはいきなり改善点を提案できない。ルールが分からないのに分析はできないから。思ってることは言えるんですけどね。


佐藤
なるほど。


池澤
その次がやっぱり分析ですね。分析し提案すると改善に繋がっていくので、それが出来る人は役職が高いです。ずっと決められた仕事やってる人は、大して役職は上がらないです。


佐藤
提案をしていくためには、まずルールを覚えることが必要。でも、ルールを守ってるだけだと、誰でもできるような仕事になってしまう。では次のステップのためには分析し提案をしないといけない。分析し提案する人としない人はどんな差があるのでしょうか。


池澤
モチベーションですね。家族がいるとして、子供に「会社で何してるの」という風に言われたら、「会社で改善しているよ」と言えるようになろうと言っています。仕事が好きじゃなかったり、お金だけもらえれば良いと決まった作業だけをしていたら、ある程度のところまでしか役職も給料も上がらないです。


佐藤
属している企業や自分の仕事が好きであることも大事ですし、企業側ががそう思ってもらうように努力することも大事。この双方の努力が必要なんですね。


池澤
そうですね。だから、冷たくあしらわないことは大切です。「そんなことも分からないなら、会社に来る意味ないよ」とか怒られたら嫌でしょ。だから教えてあげる環境をつくる。だからこそ上下のコミュニケーションも横のコミュニケーションも大切。風通しの良い関係にしなければばらないわけです。


佐藤
サッカーで例えると、プレイヤーはルールを覚えたり、練習する努力が必要で、監督やチームメイトは、そういった人を受け入れたり、応援していく必要がある。この両者の関係が大事ということでしょうか。


池澤
そういうことです。


社長になれたモチベーションの源泉

佐藤
ちなみに池澤様はどのタイミングで社長になろうと思われたのですか。


池澤
社長になろうと思ったことはないです。担当者からリーダーになりたいなとか、係長や部長をやりたいとかは思っていましたけどね。でも社長になるのは運もあるから。ポストが空いてなかったらなれないんですよ。


佐藤
確かにそうですね。


池澤
でも任された仕事を任された以上にやる。そういう想いで2010年に役員になりました。2011年にたまたま海外事業が立ち上がり、その時に上司に選ばれ、インドネシアの事業を担当したことがきっかけです。その時北海製罐は海外事業をやったことがなかったんですよ。今もグループ各社の中で企業を立ち上げたことがある人は私だけです。


佐藤
新しいことに挑戦しようと思うモチベーションの源泉は何ですか。


池澤
新しいことはなんでもやりたいという気持ちですね。技術と製造に関することだけをやってきたので社長が何をするのかあまり知りませんでしたが、挑戦したいと思いました。


佐藤
今話を聞いていて思ったのは、仕事という企業からの期待に対し、期待以上の結果を出し続けると信用がたまっていく。信用がたまると、信用が信頼になって新たな期待をしてもらえる。また期待以上の成果を出すことで役職が上がり、社長になられたのかなと思いました。


池澤
良いですね。その考え方は合っています。


佐藤
本当ですか。良かったです。では期待に応えることが池澤様のチベーションになっていらっしゃるんですか。


池澤
そうだね。あと自分で言うのは変ですが、パーソナリティも大事ですよね。機械的にうまくいってアウトプットの数字が良いだけでは社長にはなれないよね。そういう測定できる部分以外も大切だと思います。


冗談をいうことも時には必要

佐藤
人間性という面で言うと、良い人間関係を築くために池澤様が意識してきたこととはありますか。


池澤
冗談を言うことですね。


佐藤
それはなぜでしょうか。


池澤
会議は緊迫する事もあるのですが、言いたいことを言ってもらわないといけないから、多少冗談言って笑ってもらわないと喋れなくなるんですよ。インドネシアでも冗談を言っていました。


佐藤
なるほど、では冗談を言って心が許し合えるような関係をつくるということでしょうか。


池澤
いえ、心が許し合えるなんてそんな大層なことではなくて、言いたいことが言える関係ですね。言いたいことを言えるようにするには大したことない社長だなと思わせる部分も少し必要だと思います。社長が全部知ってるわけではないので分からないことは部下に聞くことも大切ですね。


佐藤
冗談をいうことや分からないことを積極的に聞くことで話しやすい雰囲気を作ることが大事なんですね。


池澤
そうだね。


一流選手が集まっている企業は強い

佐藤
池澤様が教育の上で一番大切にしていらっしゃることは何でしょうか。


池澤
一流選手になろうということです。例えば経理であれば税理士や会計士の資格をとる。製造の方は技能師の資格を取る。そのように一流選手だと認められた資格があるんですよ。そういう資格を取って、一流選手になった証明をすることですね。資格は勉強しないと取れないですから。一流を集めて組織を強くすれば他社にも勝てますしね。


佐藤
与えられた仕事で結果を出すことももちろんですし、そういった仕事ができる証明として、資格を取っていく。それが一流選手の証になると。


池澤
そうです。資格取るために勉強することが大事なんですよ。


佐藤
現状に満足せずに、常に成長しようとか、挑戦しようとする。その努力の姿勢が何よりも大切ということですね。


池澤
そうです。事業方針の中では、仕事のルールを守って仕事に対し真面目でなければならない。仕事は正確に行わなければならない。仕事は諦めず責任を持って取り組まなければならない。仕事は工夫して改善しなければならない。仕事はチームワークによって最大の成果を生み出す。 と記載しています。これは、壁に張っていて、いつでも見れるようになってます。


佐藤
最初はルールを覚えていくところから始まって、与えられた仕事をやる。そしてその現状に満足せず、改善し続ける。このステップが大事になってくると。


池澤
そうですね。どんな企業でも組織でもそういう形にできるのが良いのではと思っています。


お客様に期待をされる理由

佐藤
御社が信頼されている証に、取引企業から選ばれていることがあると思います。選ばれる理由は何だとお考えですか。


池澤
製品開発ですね。東都成型の創業者は技術者だったんですよ。もう亡くなっていますし、何回も社長が変わっていますが、創業の魂に支配されてる企業は続くと思っています。技術などをなくしたら、企業としてのアイデンティティはなくなるので保っていきたいです。


佐藤
製品開発の強みはどういったものですか。


池澤
お客さんの要望にあった商品を開発することですね。それを実現するためには機械がないといけないので弊社はカスタマイズ機械も自分たちで作っています。そういう技術開発や製品開発を土台にして、今はいくつかの大きいブランドさんとも取引ができる様になりました。


佐藤
お客様の期待以上の結果を出し続ける製品開発が御社が選ばれてる理由だと。


池澤
そうですね。こういう方が良いのではという提案もします。


「期待以上」に挑戦し続ける

佐藤
最後に今日の話を振り返って、働くうえで重要になる信頼関係の定義を言語化できればと思います。信頼関係は両者が信頼している関係であり、信頼を得るためには、信用を得る必要がある。信用を得るためには、期待以上の結果を残し続けることが大事であると私は考えました。池澤様はいかがでしょうか。


池澤
大体同じですが、やはり結果は出ない時もあって全部うまくいくわけではないです。だけど、言われたことだけをやるだけでなく、他の企業に負けないためにも期待以上の提案をする。そこが大事です。当然容器については、お客様より詳しいですから、そこを提案して様々なことに挑戦することが大切だと考えています。


佐藤
期待通りで満足せず、結果がどうであっても期待以上に挑戦し続けることが大切ということですね。


池澤
良いですね。


佐藤
私も期待以上の成果に挑戦し続け、企業やお客様から信頼されるビジネスパーソンになれるよう努力してまいります。貴重な学びを得させていただきました。本日はありがとうございました。 


池澤
ありがとうございました。

SHARE

おすすめ記事

pickup
  • 期待を超える、その先に得られたもの