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自分の将来を受け身にしない。就活も会社からの評価も、人生の通過点。

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自分の将来を受け身にしない。就活も会社からの評価も、人生の通過点。

同志社大学4年生

山下 実桜

株式会社ベガコーポレーション

浮城 智和

interview

学生と経営者がお互いに意見交換しながら、相互理解を深めるHR sessionの対談コンテンツ。

今回は、株式会社ベガコーポレーションの代表取締役社長 浮城智和様に、お話を伺いました。

同志社大学4年生
山下 実桜

同志社大学商学部。2022年4月より株式会社クイックで就業予定。就活ではコンサルティング業界、人材業界を中心に活動。大学では、IT系ベンチャー企業でのインターンシップに参加経験あり。趣味はゴルフ。休日は早起きし散歩をして過ごすのがルーティーン。

株式会社ベガコーポレーション
浮城 智和

1976年生まれ。家具輸入商社での経験を活かし、2004年、27歳のときにパソコン2台、6畳一間から起業。2016年に東証マザーズに上場。家具・インテリア商品を販売するLOWYAのほか、越境ECサイトDOKODEMOなども運営。

目次

山下:
本日はお時間いただきありがとうございます。同志社大学商学部4年生の山下と申します。

浮城:
よろしくお願いします。

山下:
最初に御社のことを、簡単にご紹介いただいてもよろしいでしょうか。

浮城:
ベガコーポレーションは、家具・インテリアのECサイトLOWYAの運営をしている会社です。その他、越境ECのDOKODEMOというサイトの運営をしております。

山下:
LOWYAは私も拝見して、オシャレなアイテムがたくさんあるなと感じました。サイトや商品の特徴など教えていただいても良いですか。

浮城:
ありがとうございます。LOWYAは、ちょうど山下さんくらいの20代~30代の方がメインのお客様層です。リーズナブルだけれど、デザイン性も高い商品であるのが特徴です。アイテムは自社企画・自社デザインで、国内外の協力工場にお願いして製造しています。

山下:
Instagramで広告などもよく見ます。集客はやはりSNSなどを中心に実施されているのですか。

浮城:
若い方がターゲットなので、ネット検索だけでなくInstagramなどのSNSも積極的に取り入れるようにしています。インスタは現在80万人くらいフォロワーがいて、認知度も少しずつ高まってきています。

  

20代は起業の勉強のため、1年おきに転職。

山下:
学生のなかには、将来的に起業したいと考える人も多いです。ぜひ浮城様が創業されたきっかけを教えていただけますか。

浮城:
起業を決意したのは19歳のときです。初めてE-mailに触れてすごい技術だと衝撃を受けました。若い方は想像できないかもしれませんが、我々の子どもの頃はインターネットがなかったんですよ。

山下:
その後、どんな流れで起業する事業のイメージが固まっていったんですか。

浮城:
まずは起業するために、色んな業界に入り込んで勉強することにしました。20代の間は、楽しくても楽しくなくても1年おきに転職をして、できるだけ色んな業界を見に行きました。

山下:
1年ごとに仕事を変える…、すごいですね。そのなかで起業のヒントになったのはどんな仕事だったのですか。

浮城:
たとえば、不動産業界での経験は起業のヒントにつながりました。当時の部屋探しは、不動産屋さんに行くかコンビニの雑誌を見るくらいしかありませんでした。部屋を探すのがいまよりも大変で不便だったので、もし不動産の情報が集まる便利なサイトを作れたらビジネスになると考えました。

山下:
スーモのようなサイトということですか。

浮城:
そうです。まだ当時はなかったんですよ。でも結局、不動産のポータルサイト立ち上げは初期投資が大きいこともあり、資金調達が難しくて断念しました。

山下:
不動産の他にも、インターネット×〇〇という発想で、色んな可能性が考えられたと思います。最終的に、家具・インテリアを選ばれたのはどういった理由からですか。

浮城:
1年ごとに転職するなかで、家具・インテリア関係の仕事もしました。そのときに家具屋さんはすべての在庫を持って商売しているわけではないと知ったんです。注文を受けてから生産して発送するのであれば、家具のネット通販も十分成り立つはずだと考えました。

山下:
たしかにお店に行っても、一つのモデルしか置いていなくてカラーも一種類しか見られないことが多いですね。

浮城:
そうなんですよ。家具って、みなさん意外と現物を見なくても購入するんです。もちろん、安心して購入いただくために、様々な角度から撮影した商品の写真をサイトに載せるなど、生活空間トータルでイメージいただけるように、サイト上でのコミュニケーションにも力を入れています。 

 

活躍できる人材の条件は、事業への興味関心と熱量の高さ。

山下:
御社で活躍されるのはどんな志向の方ですか? やはり家具が好きな方が多いのでしょうか。

浮城:
インテリアが好きな人も多いですが、必ずしもそうではないですね。私もそうですが、ECビジネスが面白くて働いている人もいます。どちらかは必ず当てはまっているはずです。

山下:
インテリアやECビジネスに興味がある他に、大事な要素はありますか。

浮城:
うちは家具・インテリアの分野で世の中を変えていきたい、という想いに共感する方が集まっている会社なので、熱量の高い人が多いです。そういう暑苦しい環境を楽しめる方が向いていると思います。

山下:
熱量が高いというのは、具体的にはどんな行動につながりますか。

浮城:
たとえば、ECサイトのPVやCVRの指標を見て、ここを改善すればもっと販売が伸びるのではないかと考えたり、SNSのアカウントがないからじゃあ自分たちで立ち上げてみようと挑戦したり。自分で考えて試行錯誤を楽しめる人ですね。

山下:
浮城社長はもう17年もLOWYAに関わられていますが、いまでも試行錯誤することがあって、やり尽くしていないという感覚ですか。

浮城:
尽きないですね。世の中には「うちで作ったらもっとオシャレにできるのになぁ」と感じるアイテムがまだまだあって、商品開発の余地がいくらでもありますし、ECビジネス自体も今の姿が完成形ではないと思っています。

山下:
まだ進化するんですか。

浮城:
はい、私達は流通のあり方から変えたいと思っています。現状、サイトを閲覧する方の大半はスマホを使っています。でも、将来もずっとスマホだとは思えません。AR、VRのような技術の進歩もあります。Meta(旧フェイスブック)が注力し始めたメタバースの世界が、これから社会インフラとして根付くかもしれません。家具の選び方、買い方は時代とともに進化し続けるはずなので、何年やっても飽きないですよ。

 

就職をゴールにしたら、人生が楽しくならない。

山下:
浮城様から見て、最近の就活について何か思うことはありますか。

浮城:
よく、第〇志望といった表現をしますが、その考え方は違うと思っています。それって就職がゴールになっていますよね。その会社に入ることが目的になってしまったら、それで人生が楽しくなるのか…心配になります。

山下:
入社後にどれだけ挑戦の機会があるか、失敗を許容してもらえる環境があるかなど、入社後の働き方も想定しておいたほうが良いということですか。

浮城:
うーん…、たとえば将来どんな自分になりたいのか。どんな人生を歩みたいのか。考えるべきは、まずそこだと思います。人生の目標が決まれば、自分はどんな努力をしたら良いか、どんなスタンスで仕事に向き合うか、どんな人と付き合うべきか、自分なりの判断軸ができるはずです。

あと、新卒の段階で、「失敗させてくれる環境はどこか?」という発想になるのは危険です。たしかに、会社は一定の環境を用意してくれます。ただ、それが全てではないです。要素としては半分くらい。残りの半分は、自分自身の努力次第でいくらでも変えられると考えたほうが、仕事を楽しめると思いますよ。

  

若い頃「無駄に働かされた経験」が活きてくる。

山下:
いまのお話をお聞きして、入社1年目の方はどんなマインドで仕事に向き合っていくべきか気になりました。

浮城:
私が入社1年目の方に必ず伝えているのは、最初は絶対に仕事を選ばないことですね。雑用的な仕事もあるかもしれないし、苦手なこともいっぱいあると思う。面倒くさいなと感じる仕事もあるかもしれない。でも、まずはやってみて欲しいと。

山下:
若い人はすぐ効率を求めるので、その仕事に意味があるか気にしがちです…。

浮城:
気持ちはわかりますけどね。でも、やってみた結果、やっぱり無駄だったと感じても、それはそれで学びになっているはずです。将来、マネジメントに関わるようになったとき、新人時代に感じた嫌だったことのすべてが反面教師として、役に立つ日がきます。現在、成功されている人ほど、若い頃に泥臭い経験をたくさんしてきていると思いますよ。

山下:
無駄な経験はないんですね。

浮城:
山下さんもきっと優秀な方だと思いますけど、優秀だからこそ、若い頃は、いったんその爪を隠して泥んこになったほうが、長いキャリアで見ると、良い結果になるんじゃないかと思います。余計なお世話かもしれないけど(笑)

山下:
頑張ります(笑)

  

どうしたら「必要とされる人」になれるか、なんて考えなくていい。

山下:
私のまわりでも就活をゴールと捉えてしまっている人は多いかもしれません。ただ、そういった人の中には、社会に出てから成長のきっかけをつかむ人もいると思います。そのチャンスに、自分で気づくのか、周りからの影響で気づくのか。これから社会で必要とされるのは、やはり自分で気づいて変化していける人なのでしょうか。

浮城:
変わるきっかけは、両方あってどちらでも良いんじゃないでしょうか。ただ、変わってはいけない部分と変わらなくてはいけない部分があると思っています。変わったらいけないのは、真面目さ素直さ謙虚さのような、人としての基本的な部分。愛される人でなければ、そもそも教育や成長のチャンスをもらえないので、絶対に必要な要素ですね。逆に言えば、それ以外の部分はどんどん変わっていくべきかもしれません。

山下:
いまの若者が将来、10年、20年、30年経っても、必要とされる人材になるためには、特にどういった点を磨いて変化させていくと良いと思われますか?

浮城:
どうでしょうね…。あまり難しく考えなくていいのではないかと思います。30年後どうなっていたら、自分が必要とされるかなんて、正直1%も考えなくていいかもしれない。将来のことは、自分主体で考えた方がいいです。自分がどうなりたいか。その目標に向かう過程で、誰かに協力を仰いだり、人の役に立ったりする必要があるだけですよ。自分は身近な人の役に立てているか、会社の役に立てているか、その視点さえあれば十分です。

 

ベンチャーに行くなら、見るべきはカルチャーより業績。

山下:
御社は採用メッセージなどで、自社をITベンチャーと表現されています。偏差値の高い大学生のなかにも、スタートアップ企業を選ぶ人が増えています。浮城様が就活するとしたら、どんな基準でベンチャー企業を選びますか。

浮城:
客観的に判断しやすいのは、前年比の業績を見ることです。会社規模が小さいときって、たった1年でも進化できることが無数にあります。ようは業績を伸ばす余地がたくさんある状態です。だから、立ち上がりの段階で業績が横ばいになっているとしたら、厳しいかもしれません。

山下:
ベンチャー企業は成長速度が魅力でもあるので、おっしゃる通りですね。

浮城:
一方で、停滞している会社を、自分が関わることで伸ばすという考え方もあります。ただし、リスクも大きいし、それだけエネルギーも費やすことになりますから、株式を受けとれるなど、成功時のリターンが大きくなる条件がなければ損かもしれないです。

山下:
私も就活ではベンチャー企業を受けていました。でも、面接などではいまお話いただいたような業績の話ではなく、企業のカルチャーをアピールされることが多かったです。

浮城:
それは優先順位で言うと4番目くらいですね。もっとも重要なのがビジネスモデルで、そのビジネスが成長すると自分自身が信じられること。次が社長の能力や人柄、考え方。そして財務。その次がメンバーや企業風土です。

成長する会社は、自分たちの取り組むビジネスに自信を持っていて、その裏付けとして業績もしっかり伸ばしています。実績があった上で、メンバーや企業風土がマッチするのであれば、それは良い就職先になるのではないかと思います。

山下:
私の後輩にもベンチャー志望の人が増えているので、この話はぜひ伝えたいと思います。

浮城:
ちなみに山下さんは、就活でどんな企業を受けていて、最終的にクイックに入社を決められたんですか。

山下:
私は5社内定をいただいたうち、クイックだけが人材ビジネスの企業で、残り4社は外資系のコンサルティング会社でした。面接を重ねるなかで、この人たちと働きたいと一番思えたのがクイックでした。社員のみなさんのスタンスやコミュニケーションの取り方に惹かれたのが決め手です。

浮城:
その直感が大事だと思います。直感を信じて入社したからには、結果的に、思った通りの会社だったとしても、そうじゃなかったとしても、いま山下さんが目標にしていることを達成するために仕事をやり遂げる。そうすると、仕事を通じて山下さんなりの武器を手にすることができるのではないかと思います。

山下:
ありがとうございます。早く会社に貢献できるように頑張ります。本日はお時間いただきありがとうございました。

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